信頼される病院が取り組んでいるコミュニケーションの方法
人と人との関わりで、最も大切なことの一つに「コミュニケーション」が挙げられます。
コミュニケーションと一括りに言ってもその内容は様々で、笑顔でのあいさつやお天気の会話なども立派なコミュニケーションと言えます。
中でも、患者様とのより良い関係を作り、信頼される病院が取り組んでいるコミュニケーションの方法として「共感力を高める」ことが挙げられます。
「共感」という言葉をキーワードとしては知っていても「実際どういうことなのか?」と、疑問に思っている方もいらっしゃるかもしれません。
共感とは、「患者様の気持ちに寄り添う」ということ。
例えば、患者様が「寒いと右足のしびれが辛いんです」と話したとしましょう。
その時に、スタッフとしてはしびれ自体を一緒に感じることは不可能ですが、その辛い気持ちに寄り添うことはできますね。
ですから「今、お辛いですね。」と、患者様の“心に寄り添い、確かめるように話を聞く”。
そのことこそが共感なのです。
「この人は分かってくれている」、「私の話を聞いてくれている」と、患者様に思っていただけることで信頼関係は深まり、より良い医療現場が築いていけるのです。
具体的な共感の方法
うなずき・相づちで患者様の話を聞く姿勢を表現する
ただ話を“聞く”だけではなく、心を添わせるように“聴き”、うなずきや相づちを打つことで相手にその姿勢をきちんと伝えましょう。
話のテンポや声のトーンを患者様に合わせる
話す会話のスピードや、声のトーン・大小を患者様と合わせることで、安心感に繋がり、心の距離も縮まります。
会話のキーワードをひろって返す
「雨が降るとますます疲れるんです」と患者様が話したならこちらも「疲れるのですね」と、「あれこれ考え事をしていると、眠れなくなってしまうのです」と言われたなら「眠れないのですね」と、その時々の話のキーワードをひろって、そのまま言葉にして返して差し上げてください。
それによって患者様は“きちんと聞いてくれている”と安心感を抱き、いっそう心を開いてくださいます。
共感力を高めるには、「察する」力も必要不可欠です。
“相手の立場になって気持ちを想像したり、表情・しぐさから相手の今の心の状態を読み解く“ことを心がけましょう。
そして、時には「俯瞰の目」も必要です。
俯瞰とは客観的(第三者的)な視点で物事を見つめること。
目の前の状況だけにとらわれすぎず、広い視野で患者様を取り巻く環境を確認することも忘れないでください。