介護スタッフが身につけておくべき5つの接遇マナー
介護の現場では様々なプロがチームとなり情報共有をしながら働いています。
介護に求められる接遇は、利用者さま、ご家族さま、職員から「大切にされている」と感じてもらえることです。
ホスピタリティや思いやりは目に見えないものですが、施設を選ぶ大きなポイントの一つとなっていることも事実です。
笑顔や挨拶、職員間のスムーズなコミュニケーション、清潔でスッキリした身だしなみは介護の現場でも大切な接遇の要素です。
介護スタッフが身につけておくべき5つの接遇マナー
挨拶の「挨」はひらく、「拶」はせまるという意味です。
利用者さまやご家族さまに対して心を開いて歩み寄る気持ちを込めた挨拶を心がけましょう。
「身だしなみ」と「おしゃれ」の違いをご存知でしょうか?
おしゃれは自分のために、身だしなみは相手のためにです。
社会人としてはもちろんですが、介護の現場では特に利用者さまの安全とご高齢者の感覚に寄り添った身だしなみが必要です。
清潔とは、見た目の清潔(=清潔感)も大切です。袖や襟にシミ・しわがなく、常に清潔に保たれているかチェックしましょう。
入浴介助では、自分自身も汗をかくことが多いです。「これくらい大丈夫」といった判断は気の緩みへとつながります。
しっかり汗を拭きとり、着替えましょう。ご利用者の安全のために、機能的であることも忘れてはいけません。
笑顔は介護職にとってサービスの要です。
声がやさしく、気持ちがこもっているとそれだけで相手は心を開いてくれます。
どんな時でも笑顔で接することはプロとしての大切な意識です。
ユニフォームに着替えたら、鏡の前で最高のスマイル!毎朝鏡の前でチェックしましょう。
態度には外面的と内面的の二つの要素があります。
外面的態度とは、立ち振る舞い・姿勢・しぐさなどがあり、他者から見られている意識から生まれます。アイコンタクトも大切な要素の一つです。
内面的態度とは、心(気持ち)に向けられた意識から生まれます。仕事には私的感情を持ち込まない、相手も立場に立って接することが大切です。
常にハキハキと活舌よく話していますか?
また、笑顔で話すと声も明るく聞きやすくなります。
話し方のポイントは、声のトーン・話すスピード・声の抑揚の3つです。
低すぎない、高すぎない耳ざわりの良いトーンは自分では気づかない場合もありますので、職場の仲間と聴きあって丁度良いトーンをつかみましょう。
ご利用者やご家族と話す時注意したいのが、専門用語や外来語を使わないことです。聞き慣れない言葉は相手を不安にしたり、イライラさせることがありますので注意しましょう。
また、何かをお願いするときは「依頼形」にして、クッション言葉をうまく活用しましょう。話が終わった時、相手に否定されたような印象を与えない表現をすることが大切です。
忙しいときでも相手に伝わる気づかいワンポイントアドバイス
介護スタッフの仕事は多岐にわたり、常に忙しい状況にあります。
そのような中でも気づかいの心を相手にきちんと伝えるためには「笑顔で話す声」と「先言後礼(せんげんごれい)」が大切です。
「笑顔で話す声」は利用者さまやご家族様の心を開くためにもっとも重要であり、接遇の要ともいえます。
「先言後礼」とはその方の目を見て言葉を発してからお辞儀をすることです。滑舌良く話しましょう。そのためのトレーニングとして現場に向かう前に発声練習や口のストレッチをすることをお勧めします。
どのような状況でもプロとして感情をコントロールし、現場に出る前に深呼吸で心を落ち着けましょう。
まとめ
介護を必要とされている利用者さま(高齢者)は「人生の先輩」であると同時に「心身ともに弱い状態」です。
形ばかり整っていても「心」が伴っていなければ利用者さまに満足していただくことはできません。
尊敬と好意をもって接すること、つまりホスピタリティマインド(おもてなしの心)が重要です。丁寧で心のこもった対応を心がけましょう。
また、介護現場での「援助」はサービスとして「やってあげる」という考え方に陥りがちです。それでは提供する側が優位な状態が生まれ、利用者さまやご家族さまを不愉快にさせてしまうことでしょう。
ご利用者やご家族にはそれぞれの背景があり、価値観や考え方は異なります。
個を尊重し、利用者さまやご家族様それぞれに合わせた接遇こそが、安心感や身体、満足へとつながっていくのです。