おもてなし資格で学べる、お客様から選ばれるおもてなしの三つの要素
「おもてなし」という言葉は、この数年でとても注目されるようになり、いまや日本を代表する文化として世界的にも評価されるようになりました。
おもてなし資格取得は、日本の文化・伝統に根づいたおもてなしのルーツを学びながら、日本らしい心づかい、気づかいのあり方を振り返る良い機会でもあります。
今回も人と人とのつながりや絆を大切に想い、自身の教養を高めながら仕事のスキルを磨くと同時に、日本のおもてなしの素晴らしさを世界に広めていきたいと願う方々が多く参加されていました。
講座は講師(エバンジェリスト)からの一方通行の話ではなく、時にはディスカッションをしたり、時には模造紙を囲んでおもてなしについての発表をしたり、和菓子とお茶をいただきながら語り合ったりもします。
こうして「おもてなし」を心と体で感じながら過ごす時間は、受講者それぞれに多くの感動をもたらします。
もちろん私もその一人。
おもてなしコンシェルジュ認定講座を受ける中で、自分の中にストンと入ってきた“気づき”をもとに学び得た、日本のおもてなしに欠かせない要素から、今回は「お客様から選ばれるおもてなしの方法」についてご紹介いたします。
一つ目は「しつらい」です。
お客様を出迎えるにあたり、身なりや外観を整えることで歓迎の心を表現し、お客様に喜んでいただくための準備をするということです。
具体的には、玄関先や家内(店内)の清掃であったり、予め空調を適温にしておく、茶菓の準備、接客業であればつり銭や領収書の準備・商品の配列なども挙げられます。
おもてなしはお客様と出会った時から始めるものではなく、いらっしゃる前からその方を想い準備をする、その時から始まっているのです。
二つ目は「よそおい」です。
おもてなしをするためにふさわしい服装や身だしなみを整えます。
“お客様が不快に思わないか”を常に念頭に置き、お客様を思い浮かべながら、先方のイメージに合わせて工夫したり季節感を取り入れたりなど。
最も大切なのは、清潔感があることです。
清潔であるのはもちろんのこと、周りから見た自分を俯瞰的に捉え、客観的にも清潔さがきちんと感じられるかを大切にします。
そして表情は常に笑顔を心がけます。
笑顔はその場の雰囲気を和ませ、お客様との信頼関係を構築する上でも欠かせない要素です。
より良いコミュニケーションをはかるための重要なポイントとして常に意識します。
三つ目は「振る舞い」です。
実質的な茶菓やごちそうを提供することも値しますが、私はそれ以上に、所作としての立ち居振る舞いが大切だと考えます。
具体的には挨拶や歩き方、立ち方、座り方、戸の開け方、物の渡し方、話し方などです。
所作の一つ一つに心を込めて、相手への思いやりの気持ちを表現するつもりで振る舞うと自然と調和も生まれ、その場の空気も和やかで落ち着いたものになります。
また、言葉づかいにおいて、尊敬語・謙譲語・丁寧語など使い方が分けられていることも、相手に敬意を払った日本らしいおもてなしの表現方法といえるでしょう。
「おもてなし」そのものは、日本に古くから根づいた気づかいの心であり、茶道の教えから脈々と受け継がれてきた振る舞いでもあります。
“半歩先”のおもてなしは、お客様の想いや願いを素早く察知し行動化するための絶妙な距離感で、「一歩前を歩いては遠すぎ、後ろからでは間に合わないおもてなし」、さりげなく提供できる素晴らしい心づかいです。
“一つ一つの所作そのものに心が込められていて、しかも押しつけがましくない“。
そのことが日本らしいおもてなしとして、長年お客様から愛され続ける理由となるでしょう。
また、相手への気づかいの心をそれとなく表現することは、日本ならではの奥ゆかしさでもあり、これは茶道を大成させた千利休の目指す「利休七則」、そして、もてなす側ともてなしを受ける側の双方が喜びを感じるものとなるのは、同じく茶道の「一座建立」・「一期一会」へと通じています。
おもてなしは歴史や文化に紐づき、日本において古くから大切にされてきたことですが、ただ単に決まりきった型を踏襲するものではなく、時代とともにしなやかに変容する部分を持ち合わせながら、これからも日本の誇るべき精神として引き継いきたいと心から願っています。
こうしたおもてなしの要素を理解して、お客様に喜びと感動を与えていくことが、お客様から選ばれるおもてなしの方法として大切なものであり、「日本のおもてなし」の土台となっているのです。
つなぐひろげるおもてなし協会認定資格「おもてなしコンシェルジュ」
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