外国人介護職員が大切にする3つの振る舞い – 良いコミュニケーションの実現
一昨年の入国管理法改正により、今後、日本の介護現場では外国人介護スタッフが増える見込みです。
一方で、環境の違いや言葉の壁など、文化や生活習慣が異なる地域から来られた外国の方にとっての様々な課題も生じています。また、外国人を受入れることについて、不安を感じている日本人介護スタッフも散見されます。
こうした様々な課題の解決を目的として、これまで48回にわたり介護の国際化の理解を深める勉強会『ワールドケアカフェ』を実施してきました。
本記事では、これまでの外国人介護人材の定着支援の活動から得たヒントをまとめ、外国人介護スタッフの受入れ、特にコミュニケーションの部分を大切にする「3つの振舞い」をご紹介します。
1. 外国人介護スタッフのふるさとを知る
外国人介護スタッフの受入れようとする施設の職員から「どのように声を掛けたらよいのかわからなくて…」という相談があります。
自然なコミュニケーションを生み出す第一歩は、外国人スタッフのふるさとを知ることです。
外国人介護スタッフの故郷の季節、生活習慣や言葉、食べ物、決まり事など知ることによって自然に会話が生まれ、そのうちに信頼感も生まれてきます。
深くコミュニケーションをとることによって、外国の方と一緒に働くことが楽しくなり、国際化を感じる転機にもなります。
2. 会話の場を作る
外国人介護スタッフの悩み多くは、職員とうまく溶け込めず、孤立感を覚えることです。
意識して会話の場を作ることによって、皆さんと溶け込み、日本語の上達にもつながります。
以前、『ワールドケアカフェ』においてスウェーデンで働いていた日本人介護者から「現地での介護の仕事はとても幸せだった」という海外先進事例が紹介されたことがあります。
その要因の一つは現場にあったコミュニケーションの豊かさ、例えば現地の職場ではフィーカ(コーヒーブレイク)という文化があり、コーヒーを飲みながら申し送りをします。
そして、「夕べ、Aさん(利用者さま)はマリーという人形を抱っこして寝ていましたよ…」など、会話によって具体的なことを伝え、コミュケーションをとる中で同僚の間での良い関係が生まれます。
3. 分かりやすく伝える
私は日本に来た時、日本語能力試験が2級を合格したにも関わらず、周りの方の会話はわかりませんでした。
それより、NHKニュースの方がわかりやすかったのです。
今思えば、それは一番標準語に近い言葉で、口元も見えて、背景もあったからです。
ですので、現場ではできるだけわかりやすい言葉使いを意識します。
「高所」より「高いところ」という表現の方がわかりやすいですし、あるいは同じ意味を表す言葉を統一します。
例えば「お客さん、お婆ちゃん」ではなく、「利用者さん」と統一します。
また相手の目を見て話すことで理解度は変わってきますので、外国の方への重要な業務連絡は出来る限り携帯端末を利用するより直接会って伝えることが大切です。
まとめ
コミュニケーションは言語と非言語があります。
いかにして外国人介護スタッフとコミュニケーションをとり、弱みを強みにしていくことは、介護現場のリーダーや職員にとって重要な振舞いです。
コミュニケーションが豊かな現場は、外国人介護スタッフが早く現場に溶けこみ、職員と仲良くなることにつながります。
また一緒にその国の料理を作ったり、言葉を勉強したりすることも良い交流となるでしょう。
国境を越えて、人材活用を促進し、幸せな介護現場を作っていきましょう!
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