顧客を満足、感動させるおもてなしの極意とは?
顧客満足は、顧客がずっとユーザーであるため、新規顧客となる時、欠かせないものである。
私たちは、商品を買う時、サービスを使う時、そこになんらかの根拠がありお金を払う。
企業や店舗、サービス施設が生き残っていくには、顧客からの熱烈な支持が必要だ。
顧客満足とは、顧客の期待を超えること。
しかし、社会のサービス品質が成熟、コモディティ化する中で、顧客に満足していただけるのはたやすいことでない。
顧客の期待は多様であり、満足していただける基準も明確でない。
そこで、顧客が満足する対応をするために、まず意識したいのが、不満、不快、不便、不手際、不安、不親切、無愛想、不確実等多くの不をなくすことからはじめたい。
顧客の期待は顧客のあたりまえ。顧客が満足する対応の前に、このあたりまえに、しっかりと向き合っていくことが大切だ。
顧客へ歓迎を伝える対応、不快にさせない対応が適切になされていることである。
しかし、人の品質の考え方を知る上の一つに、顧客が損をしたと感じないことがあるのではないか。
これは、品質保証につながる。
ここまでは、顧客があたりまえに思う期待であり、第2の期待に至らないと、顧客は、先ほどあげた不の感情を持つにいたる。
あたりまえを超え、顧客一人ひとりに合わせた対応、状況に合わせ柔軟な対応が状況的期待である。
そして、顧客の状況を理解するには、顧客をよく視ることからはじまる。
無意識において目からの情報として入ってくる「見る」ではなく、注意して視線を注ぐ「視る」であり、顧客への興味とおもてなしの心が土台にある。
顧客が言葉で開示する情報だけでなく、言葉として表面に表れていない状況を顧客から読み取ることはたやすくない。
顧客の動きは?呼吸は?表情は?声のトーンは?テンポは?顧客から発せられるサインを見逃さないことである。
そして、先回りして状況に合わせた対応をすること、一歩先をいくアクション、気が利く対応が顧客のあたりまえゾーンを超える対応であろう。
顧客の一人ひとりの状況に合わせる対応は、対応する側から言えば、手間がかかる、生産性の悪い対応であるのは最もだ。
しかし、その労力が顧客の心を揺り動かす。
利他の心で、自らを顧みず、苦労をいとわず、身を粉にして行う対応である。
私の中では、この領域はおもてなしにおける聖域と定義している。
ただ相手の喜びだけを願い施す対応、その純粋で慈愛に満ちた行為に顧客からの感謝、感動を呼び起こす。
相手のよろこびが自分のよろこびとなるという血液が、おもてなし体現者の中には確実に流れている。