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おもてなしの嗜み – 和室だけじゃない!上座と下座

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おもてなしの嗜み – 和室だけじゃない!上座と下座

おもてなしの嗜み – 和室だけじゃない!上座と下座

1.上座・下座はいつできた?

「上座」「下座」という考え方は、貴族社会から武家社会へと世の中が移り変わった室町時代に、その発祥をさかのぼることができるという説があります。

貴族が世の中の中心であった頃、家屋の床は板張りでした。そのため、人々は床に座る際にゴザなどの敷物をしいてその上に座っていたわけですが、身分の高い人と低い人では使用が許される敷物の種類が異なっていたそうです。その中で、身分の高い人のみに許されていた敷物が変化して、厚みをもつようになったものがだと言われています。

その後、武士が社会を動かす室町時代になると、家屋のありかたもそれまでとは変わってきます。それまでは身分の高い人の特権であった畳が、部屋の床一面に敷き詰められるようになりました。そこで、他の場所よりも少し床を高くした「上段の間」を作ることで、身分の高い人が座すべき場所として、その他の部屋・空間と差をつけたのです。時代劇などで、将軍が上段の間に座り、下段の間に家臣がずらっと居並んでいる様子を誰もが一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

世界遺産 元離宮二条城

(画像:世界遺産 元離宮二条城HPより
 https://nijo-jocastle.city.kyoto.lg.jp/introduction/highlights/ninomaru/)

 

写真にもあるとおり、この「上段の間」は一つの部屋に相当する広さをもったものでしたが、これがだんだんと縮小されたものが「床の間」になったといわれています。

そのため、床の間の一番近く/床の間を背にする席が、一番良い席=「上座」といわれるようになったのです。また同じ背景から考えると、床の間は本来部屋の出入り口の対極に配置されるものということができ、「上座」が出入り口からもっとも遠い席とされることも容易に理解できるのではないでしょうか。

出入り口付近は人の移動や戸の開け閉めが多く、せわしない場所です。
将軍など身分の高い人は、部屋の出入口から遠い奥まった場所にずっしりと構え、入れ替わり立ち替わり訪れる人々の対応をしていたのでしょう。

2.現代での上座下座はどのように決定する?

「上座」「下座」という考え方は、ビジネスや人付き合いのマナーとして、現代にも浸透しているものです。「上座」は目上の人やお客様が座る席、「下座」は役職の低い人やおもてなしする側の人が座る席とされます。

しかし、”床の間を背にする席が上座”と覚えたところで、現代では実生活で和室で人と会う機会は多くはないでしょう。むしろ会議室やレストランなどでの席次に悩むことがほとんどではないでしょうか。和室以外のどのような場所でも、相手をスムーズに「上座」にご案内することが良質なおもてなしに欠かせないのはいうまでもありません。

大切なのは「相手を敬い、たてるためには、どの席が最適なのか」を考えて判断することです。そのためにも先述の歴史的背景と、そこから発展した「上座」・「下座」の基準をおさえておきたいものです。

 

上座とは

  • ・床の間を背にする席
  • ・出入り口からもっとも遠い席
  • ・人の行き来がもっとも少ない席
  • ・室温が快適で安定している席
  • ・景色や、飾ってある美術品などの部屋の設えがもっともよく見ることのできる席
  • ・もっとも安全な席
  • ・左側

 

下座とは

  • ・出入り口に1番近い席
  • ・人の行き来が多い席
  • ・料理や飲み物の提供の際に働きが求められる席
  • ・出入り口の開け閉めや空調設備との位置関係から室温が安定しなかったり、快適でない席
  • ・景色や、部屋の設えがよく見えない席
  • ・危険の可能性のある席
  • ・右側

 

ここではひとつひとつの実例をあげてどこが「上座」かという解説はしませんが、会議室やレストランだけでなく、タクシーやエレベーターなどの狭い空間の中でも、上記の基準に照らし合わせて考えると、おのずとどこに目上の方・お客様をご案内すれば良いかが導かれるはずです。また、自分の会社やお店であればどうだろうか、自宅であればどうだろうか・・とぜひ考えてみてください。

現代での上座下座はどのように決定する?

余談:なぜ左側が上座なのか

右側に比べて左側が上位とされるのは、古代中国から伝わった考え方にもとづいていると言われています。太陽を正面にしたとき(南を向いたとき)を基準にして、太陽が登ってくる方角が左(東)・沈んでいくのが右(西)であることから、左上位の概念ができたと伝えられています。

 

なぜ左側が上座なのか

 

その他、左側には心臓があることから、自分より目上の人と居並ぶ際には右側にたち「危害を加える意図はない」ことを示していたという説もあります。

3.上座・下座はめんどくさい?

ルールとして”覚えなくては”ととらえると、難しく面倒に感じてしまいがちな「上座・下座」という概念ですが、相手のことを大切に想っている・敬っているという気持ちを表現する方法のひとつであり、おもてなしにおいて大切な嗜みです。

仏教の修行に下坐行(げざぎょう)といわれるものがありますが、これは自らを「下座」=他の人より下の位置に置き、人が厭うような仕事を淡々とこなすことによって、「自分は人よりも優れている」と考えてしまう高慢な気持ちをなくすための鍛錬だそうです。

自己の主張が行き過ぎないように、自らを進んで「下座」におき、相手のために立ち働くこと。これもおもてなしに欠かせない心です。

 

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